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【HubSpot勉強会課題】ウェブアクセシビリティ対応の重要性とは? 対応ステップと対応すべき項目4選

ACCESSCILITYと書かれた木製のブロックを指さす様子

2024年4月に「障害者差別解消法」が改正されたことにより、これまで民間事業者では努力義務であった「合理的配慮」の提供が義務化され、全事業者を対象にウェブアクセシビリティの対応が求められています。
しかし「何から始めればいいの?」「具体的な対応方法がわからない」などとウェブアクセシビリティ対応に頭を悩ませているウェブサイト担当者も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では、そもそもウェブアクセシビリティとは何なのか、重要性や対応ステップ、達成すべき項目についてお伝えします。

INDEX
1. ウェブアクセシビリティとは
2. ウェブアクセシビリティの必要性
3. ウェブアクセシビリティ対応の4ステップ
4. 必ず達成しなければならない項目4選

 

ウェブアクセシビリティとは

アクセシビリティとは「access(利用可能にする)」と「ability(能力)」を合わせた言葉であり、「accessibility」のaとyの間に11文字あるため、略称として「a11y(エーイレブンワイ)」と表記されることもります。
一般的に「ウェブアクセシビリティが担保できている」状態とは、次のような状態のことを指しています。

ACCESSCILITYと書かれた木製のブロックを指さす様子

  • 目が見えなくても情報が伝わる・操作できること
  • キーボードだけで操作できること
  • 一部の色が区別できなくても情報が欠けないこと
  • 音声コンテンツや動画コンテンツでは、音声が聞こえなくても何を話しているかわかること

次の記事では、ウェブアクセシビリティのガイドラインや規格、達成等級および対応度について詳しくお伝えしていますので、あわせてご覧ください。

ウェブサイト制作時に考慮すべき「ウェブアクセシビリティ」とは?
Web担当者必見!ウェブアクセシビリティ対応によって得られるメリットとは?

ウェブアクセシビリティの必要性

ウェブアクセシビリティ対応は、努力義務である「環境の整備」に含まれるため、対応を怠ったからといって、ただちに法に抵触するわけではありません。
しかし、厚生労働省が実施した平成28年の調査によると、身体障害者手帳の所持者が428.7万人※となっており、この人数は年々増加しています。
厚労省「平成28年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査):結果の概要」より一部抜粋

ノートパソコンを操作する女性の様子また、インターネットが普及している昨今、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンなどのデバイスを利用し、さまざまな場所からウェブサイトにアクセスするユーザーが増加しています。
そのため、高齢者や障がい者だけでなく、あらゆるユーザーにとって閲覧可能かつ利用しやすいウェブサイト制作を心がける必要があります。
ウェブアクセシビリティに対応したウェブサイトを制作・運用することにより、法的リスクを軽減することができるだけでなく「社会に貢献し、多様性を尊重している」という姿勢を示すことで、ブランド価値と信頼度の向上につながります。
加えて、ウェブアクセシビリティの項目に含まれるサイト構造の最適化やALT属性(代替テキスト)の記述、レイアウト・デザインの統一などを実施することにより、検索エンジンのクローラーがウェブサイトの構造や内容を理解しやすくなるため、検索エンジンの評価によい影響を与え、トラフィックの向上にもつながります。

ウェブアクセシビリティ対応の4ステップ

自社のウェブサイトにおいて、ウェブアクセシビリティに対応する場合は、大きく分けて次の4つのステップがあります。

Guidelinesを記載された資料ファイルの束

1. 達成等級(適合レベル)と対応度の決定

「A(シングルエー)」「AA(ダブルエー)」「AAA(トリプルエー)」の3つの適合レベルが存在しています。
レベル AAに準拠することを目標とし、可能であれば AAAの達成基準を数個追加して試験することが推奨されています。

2. ウェブアクセシビリティ方針の策定

「JIS X 8341-3:2016」に対応していることを示す場合は、「ウェブアクセシビリティ方針」を作成し、ウェブサイト上で提示または公開する必要があります。
「ウェブアクセシビリティ方針策定ガイドライン」によると、ウェブアクセシビリティ方針で記載すべき事項は主に次の2つです。

  • 「JIS X 8341-3:2016」に対応する対象範囲
    自社ウェブサイトにおけるどのページをウェブアクセシビリティに対応するかをドメイン名単位でURLを明記しましょう。一部のページを除外する場合についてもURLを明記する必要があります。
  • 「JIS X 8341-3:2016」 適合レベル及び対応度
    「JIS X 8341-3:2016」の適合レベル(レベルA・レベルAA・レベルAAA)、WAICの「ウェブコンテンツの JIS X 8341-3:2016 対応度表記ガイドライン」で定められている対応度について、自社が目標とするものを明記しましょう。

出典
ウェブアクセシビリティ基板委員会(WAIC)「ウェブアクセシビリティ方針策定ガイドライン」

3. ウェブアクセシビリティ試験の実施

策定したウェブアクセシビリティ方針に基づいて実装が完了したら、ウェブアクセシビリティに対応できているかを試験する必要があります。
試験では、目標とする適合レベルの達成基準について、ウェブサイトのページやコンテンツが適合しているかを一つひとつ確認し、達成基準の達成方法をWCAG 2.0解説書で確認しましょう。
試験方法の詳細については、WAICが公開する「JIS X 8341-3:2016 試験実施ガイドライン」に記載されています。

出典
ウェブアクセシビリティ基板委員会(WAIC)「JIS X 8341-3:2016 試験実施ガイド
ライン」
W3C「WCAG 2.0 解説書」

4. ウェブアクセシビリティ試験結果の公開

試験結果の集計と対応度の判定を行い、ウェブサイト上で公開しましょう。
内閣府やデジタル庁を中心に、試験結果を公開しているウェブサイトもあります。
なお、すべてのページにおいて、すべての達成基準に適合している場合は「準拠」、基準を満たしていないページが一つでも存在する場合は「一部準拠」となります。

参考
内閣府「ウェブアクセシビリティ検証結果」
デジタル庁「ウェブアクセシビリティ検証結果」

必ず達成しなければならない項目4選

デジタル庁が公開している「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」では、ウェブアクセシビリティを確保するにあたり「必ず達成しなければならないこと」「基本的に達成すべきこと」「状況に応じて確認すべきこと」「よく検討して導入すべきこと」の4つに分類しています。
その中で最も重要度の高い「必ず達成しなければならないこと」についてお伝えします。

出典
デジタル庁「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」

ウェブサイトのUIやUXを考慮して制作を行う様子

1. 音声を自動で再生させない

自動で音声を再生することや、強制的に再生させることは避けましょう。
また、音声を自動再生させる場合は、3秒以内に収めましょう。
再生時間が3秒以上続く場合は、一時停止ボタンやミュートボタンを実装するなど、ユーザーが自身の意思で音声を停止できるよう工夫する必要があります。

2. キーボード操作のみでも利用可能とする

ユーザーがキーボード操作のみでウェブサイトを利用する場合、一度クリックしたら抜け出せないコンテンツを作らないようにしましょう。
モーダルダイアログのようなコンテンツで起きやすい現象のため、キーボード操作のみでも閉じられるよう、閉じるボタンを設置するなどの注意が必要です。

3. 光の点滅を繰り返さない(h3)

光の点滅を繰り返すと、光感受性発作等を誘発しやすくなるため、1秒に3回以上点滅するアニメーションや映像などのコンテンツをウェブサイトに掲載しないよう注意が必要です。

4. コンテンツを自動で切り変えない

画面上に動き続けるコンテンツが表示される場合、操作や閲覧を妨げられるユーザーが存在するため、スライドショーやカルーセルなどの自動で切り替わるコンテンツを制作する場合は、一時停止・非表示・停止ボタンを設置するといった工夫が必要です。

まとめ

タブレットやスマートフォンなどのデバイスの普及やユーザーの環境の多様化によって、重要度が日々増しているウェブアクセシビリティ。
ウェブアクセシビリティ対応は努力義務のため、対応を怠ったからといって罰則が課せられるわけではありません。
しかし、ウェブアクセシビリティ対応したコンテンツを提供することにより、ウェブサイトへ訪れたユーザーが快適に閲覧・利用することができるだけでなく、より多くのユーザーに自社の情報を発信することができるというメリットがあります。
そのため、障害のある人や高齢者、色覚特性のある人などを含めたすべてのユーザーがウェブサイトから情報を正しく取得できるよう、可能な限りウェブアクセシビリティに配慮したウェブサイトおよびコンテンツの制作を行いましょう。